このブログの「目次」と「分類」 - 「おままごとSTYLE」60歳からの暮らし読本

長年、愛用しているキリム
30年ほど前に、手作りしたものです

当時、民芸研究家に弟子入りしていて
先生の指導で、仕上げました

先生は、中近東の織物を研究していたので
家中に、キリムがありました

ラクダの背中用のキリムから
岩塩をいれて運ぶためのものまで
珍しいものがいっぱい

日本家屋の縁側の奥には
機織り部屋もあって
まるで、鶴の恩返しみたいだと
驚いたものです

私は先生の最晩年の弟子だし
研究者でもなかったので
本当に、遊び半分で
キリムの作り方を、教えてもらいました

小さなキリム作りの道具は、簡単
上下に短い釘を打った木の枠と
細い木の棒だけ

太い木綿糸を、上下の針に引っかけて
ハープの弦みたいにして
そこに、ウールの糸の束と
細長く裂いた布を
交互に入れては、棒で打ち付けるだけです

私はこのキリムを、キッチンの椅子用に使っています

この上に、熱いオーブンの天板や
熱い鍋を置いても、ビクともしない丈夫さは
糸に秘密があるように思います

一見普通に見えますが
このウールの糸はペルシャ地方のもの
過酷な自然の中で育った羊の毛で
染色も草木染

ただの年若い主婦だった私に
そんな贅沢な経験をさせてもらったこと
ただた感謝です

このキリムを見ると
そのころを思い出して、幸せな気分になります