「おままごとSTYLE」60歳からの暮らし読本

60歳からの暮らしは、楽しく気軽に、おままごとの感覚で!まだまだ、自分の世界を、広げていきたい。

一番悲しい日に出会ったカップ&ソーサー


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日本のノリタケの製品です


戦前から作られているらしいデザインで
名前は「Nо175」というのです




シェイプは、オーソドックスで
取っ手が持ちやすい


白地にクリーム色
そこに、金彩で描かれた、唐草みたいな文様


日本向けというよりも、
イスラム圏向けに作られているとのこと


そう言われると、
ちょっとアラベスク模様みたいですね





20年以上前、私は四国の食器店で、一目惚れ


この日、私は病魔に侵された姉のお見舞いに行きました


すでに手の施しようがないくらい癌は進行していて
でも、問題は癌だけではなかった


小さな子どもを抱える家庭は、完全に崩壊していました


知らない人ばかりの田舎町で
気難しい姑と、心が折れた夫と
家庭の不和と病気により、すっかり荒れた子供たちと


私は、何もできなかった
悲しくて悲しくて


その時に、見つけたのです


取り寄せ商品で、購入者は決まっていたのに


私が吸い付けられるように見ていたからか
涙目だったからか


「いいよ、持って帰っても。また取り寄せればいいから」と
お店の方は、言ってくれました





見るたびに、今も思い出して悲しいのだけれど
それでも、なぜか手放せない


思い出したいんです
姉もことも
この時の、お店の方の優しさも


悲しい記憶よりも、ずっと大切な宝物だから


今も、ほろ苦い気持ちを抱きながら
このカップ&ソーサーで
ブラックコーヒーを飲んでいます